「NOPA公開セミナー」&「平成18年度 研究報告会」開催
平成18年度研究報告会
■平成17年度研究部会 概要
ニューオフィス化を推進するNOPAの諸事業の中でも、研究・調査活動は、設立以来会員各位の熱心な活動に支えられ、多くの成果を報告することにより、ニューオフィスの普及において重要な役割を果たして参りました。 平成17年度におきましても、これまでの研究成果を踏まえ、ニューオフィス化を推進するために特に重要であると考えられる課題を抽出し、最近のオフィスを取り巻く環境変化を考慮に入れ、下記のテーマの研究部会を企画致しました。 研究部会活動は、研究の成果を求めることのみならず、会員相互のコミュニケーションを図る上で大変意義のあることと考えております。
(仮称)研究部会案 少子高齢化時代のワークスタイルとワークプレイス
[研究部会のやり方]
1.
研究部会の形式 少人数参加型による勉強会方式
2.
最小催行人数 5名   勉強会形式のため、開催日数の8割以上の参加が可能な人の参加を希望します。
3.
開催期間と頻度 10月1日より翌3月31日までに、月1〜2回程度開催。
計6〜10回程度を予定。
4.
報告会について
報告会は行なわないことを基本とするが、まとまった成果ができた場合は、報告会開催も検討する。その場合は、報告は事務局が行なう。
5.

研究部会についてお問い合わせ、参加申し込みはこちら
荻原(おぎはら)
TEL: 03-3553-3471 e-mail nopa@nopa.or.jp
[研究計画案の概要]
1.研究の背景
子供の数が減ってきている。その一方で、高齢者の寿命がどんどん長くなってきている。21世紀は少子高齢化の時代だといわれている。子供をいつ何人持つかは、人それぞれの判断であり、国であれ何であれ他人が、子供が減っているから子供を持つようにと口を挟み強制することではない。が、口を挟むまでもなく、世の中の独身者の多くはいずれ結婚し子供を持ちたいと思っている。また、既婚者の多くも子供を持ちたいと思っている。しかし、実際には望む数の子供を持ちたくとももてない状況にある。なぜなのだろう。いろいろな理由が言われている。
経済的理由:
子供の教育にお金がかかる、特に都会の住宅事情(高い家賃)が悪い。
生活的理由:
自分の時間がなくなる、勤務時間が長すぎて子育ての時間がない、産休や育児休暇はキャリアアップにマイナスになる、男性の家事・育児負担が少ない。
社会的理由:
保育園がない・入りにくい、周りに子育てを援助してくれる人が少なく仕事をやめざるを得ない、晩婚化・未婚化傾向が強い。
就業的理由:
離職すると再就職が難しい。若年層の失業率が高く雇用が不安定、若年層の収入が低く不安定で将来の計画がたてられない。
これらの理由は、単独で発生したのではなく、複合的に関連しており、一つの問題を解決したからとて、特に事情が改善するというものでもないらしい。また、適正人口の数そのものについての議論もある。国の経済力や、年金をはじめとする福祉制度を維持するために、ある程度の人口と生産性が必要ではあるが、あまりにも多くの人口を養うには、食料自給、エネルギー消費等多くの負荷があり、環境保護の観点からも問題がある。この研究部会では、人口の増減の良し悪しそのものについて論じることは避け、子供を持ちたい人が子供を持ち、働き、生活できるようなワークスタイル、ライフスタイルの実現のために一助となる提案を行ないたい。
2.研究の目的
子供を持ちたい人が子供を持ち、かつ職業を継続し収入の維持向上を図り、自分と家族の生活及び地域社会と共存する生活を大事にできるワークスタイル、ライフスタイルを実現のための方向性を探り、実現のために一助となる提案を行なう。
3.研究の概要
(1)少子高齢化のもたらす問題点の現状と今後の少子高齢化の現状調査と予測により、経済活動に及ぼす影響、ワークスタイルやワークプレイスに及ぼす影響について、検討する。
 
@
少子高齢化の現状と今後の進展予測
 
A
少子高齢化により発生する問題の予測 労働人口減少、生産性の低下、若年層の活用・技術継承が困難、年金・保健等の社会福祉財源の減少 等
(2)新しく労働力として求められる人たち(今後増えるワーカのタイプ)
少子高齢化により、今まで労働市場に入りにくかった人たちの雇用が求められるようになる。どのような人たちがワーカとして働きうるのか。またその役割の内容や派生する問題点についても検討する。
@
今後増えると予想されるワーカのタイプ
女性の雇用促進、出産・育児等で退職した女性の再雇用
身体障害者の雇用
ニート、フリータの雇用と職業訓練
外国人の雇用
高齢者の再雇用
 
A
それぞれに求められる新しい役割と問題点
(3)新しいワークスタイルとライフスタイル
従来の健常者の男性を中心とした雇用形態から、さまざまな人たちの雇用が求められるようになると、当然ワークスタイルとライフスタイルの変化が伴う。どのような変化が求められるのか、またそのために、ワークプレイスやワークスタイルに求められる変化は何なのか検討する。
@
ワークプレイス、ワークスタイルの変化
働き方の多様化
フレックス、在宅勤務等の活用
A
職業の継続とライフスタイル
国・自治体の施策: エンゼルプランの内容とその実用性、企業の対応の動向
結婚と子育てのしやすいワークスタイル
共働きを前提とした勤務形態
育児休業等の子育て支援
時間的、経済的に余裕のある生活と現実の残業の多いオーバーワークの問題
(4)新しいワークプレイス、ワークスタイルに求められる変化 身体障害者、高齢者に対応するバリアフリー、ユニバーサルデザイン、ワークプレイスのデザインや設備の改革について、事例調査を通して、現状と今後の動向を探る。
@
日経ニューオフィス賞にみる事例調査
A
コンセプトと事例のまとめ
国・自治体の施策: エンゼルプランの内容とその実用性、企業の対応の動向
結婚と子育てのしやすいワークスタイル
共働きを前提とした勤務形態
時間的、経済的に余裕のある生活と現実の残業の多いオーバーワークの問題
B
エンゼルプランの優良企業等を対象としたアンケートによる傾向のまとめ
(5)今後の提案  一連の検討を通して、ワークプレイスやワークスタイルの改善すべき点と具体的提案を、行ないたい。
5.おまけ
研究の内容としては、研究概要の項目の他に下記のような項目にも言及する。
@
女性の志向の二極化 職業継続志向と専業主婦志向があるといわれ、高学歴だが働かない層が増えるといわれている。
A
親世代の経済的余力が、「自分探し」、「自己実現」、「隠れた才能の発掘」と言うニート・フリータを生み出しているのか。
B
ニートやフリータの志向や能力に対して、技術的訓練と職業的・経済的自立の支援は成り立つのか。
C
労働人口が減少して生産性が低下すると言われているが、特に若年層の失業率が高く転職・再就職が難しいが、団塊世代の退職で、失業率は低下するのか。
D
外国人雇用と文化・言葉の問題、文化摩擦はどうなるのか。経済状態が悪化した時に外国人労働者の権利や処遇はどうなるのか。ドイツにおけるトルコからの労働者の例等
E
高齢者福祉等社会福祉事業のニーズが高まっているが、家族介護による無償、または低賃金ボランティアで成り立つ現状はどうなるのか。 等
   
 
以上
         

TOP